カラオケ機器メーカーの著作隣接権とは?

2017年05月11日 21:23

カラオケで歌う動画を YouTube にアップロードした者に対し、カラオケ機器メーカーが、著作隣接権を侵害するとして争った事件の判決が出たようです。

記事はこちら、
「カラオケ動画投稿ダメ...メーカーの権利侵害判決」

記事では、「カラオケ機器メーカーの著作隣接権を侵害するとして・・・」とありますが、著作隣接権者に、カラオケ機器メーカーは、文言上は含まれていません。

著作隣接権を有する者は、以下の4者です。
 ・実演家
 ・レコード製作者
 ・放送事業者
 ・有線放送事業者

記事が正しいとすれば、どの「者」の権利侵害となるのでしょうか?

あり得るとすれば、「レコード製作者」でしょう。

レコード、および、レコード製作者は、2条1項5号、6号で以下のように定義されています。

2条1項
五  レコード 蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう。
六  レコード製作者 レコードに固定されている音を最初に固定した者をいう。

カラオケですので映像が含まれることから、5号のかっこ書が気になりますが、
レコード製作者の権利には、以下があります。

(複製権)第九十六条  レコード製作者は、そのレコードを複製する権利を専有する。

(送信可能化権)第九十六条の二  レコード製作者は、そのレコードを送信可能化する権利を専有する。
どちらの権利を根拠に、権利侵害を主張しているのか分かりませんが、カラオケ好きの方は、安易にカラオケ撮影動画をSNSにアップロードしないよう、注意しましょう。

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