いわゆる利用侵害の根拠条文は?

2015年10月26日 20:47
 今年の論文本試・意匠法の【問題2】に「組物と構成物品の利用関係」の事例が出題されました。
 
 「侵害とは・・・」と要件定立し、当て嵌め、結論と流す受験生も多いと思います。
 
<要件定立>
 意匠権の侵害とは権原または正当理由なき第三者の登録意匠またはこれに類似する意匠の業としての実施、又は一定の予備的行為を言う(23条、38条)。
 
<当て嵌め①>
 組物と構成物品では「物品が異なる」ため意匠が非類似となり、侵害を構成しない。
 
<当て嵌め②(利用の検討)>
 意匠の利用の定義と当て嵌めにより、後願意匠権者の実施が制限される(26条)。
 
<結論>
 よって、侵害を構成する。
 
 
 上記の場合、結論の「侵害を構成する」根拠条文は何条の事を言っているのでしょうか?
 
 要件定立で挙げた23条でしょうか? ・・・しかし、当て嵌め①で「侵害を構成しない」と論述している点と矛盾します。
 
 それでは、当て嵌め②の26条でしょうか? ・・・この場合、最初の要件定立の意味がなくなります。
 
 あれ?っと思った受験生も多いのではないでしょうか。
 
 「意匠の利用」は出題可能性の高いテーマですので「論理破綻しない」論述を身に着けておくことが重要です。
 
 意匠の利用については幾つかの論述パタンがありますが、組物と構成物品(部品と完成品でも同様)の事例であっても、「物品非類似を貫かず」、上記当て嵌め①で侵害を構成すると流す論述がお勧めです。
 
「カフェ勉(基礎編、11月1日)」情報はこちら。
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