先取り!H26改訂意匠審査基準

2014年12月17日 20:05

 26個の論点について、その対応方針が決まりました。意匠法の審査基準の改訂も最終段階に入ったようです。

 その中から弁理士試験(短答、論文、口述)で狙われそうな「論点ベスト5」を抽出し、短答問題を作ってみました(少々曖昧な部分がありますがご容赦ください)。答えは最後に記載しています。

問1 国際意匠登録出願の先後願判断は、その時分までを特定して判断する。
問2 「保護を求めないもの」が表された国際意匠登録出願は、部分意匠として扱われる。
問3 「保護を求めないもの」として破線等で表されたものであっても、削除補正できる場合はない。
問4 国際意匠登録出願の場合、我が国の国内出願を基礎とした優先権の主張の効果は認められない。
問5 国際公表の国際意匠公報は、関連意匠の適用判断における意匠公報とは取り扱わない。

 以下、リンク先の資料からの抜粋です。

論点No.6 意匠法第3条第1項各号及び第2項の規定の適用判断において、国際意匠登録出願の出願日と同日に公知となった意匠等をどのように扱うか。
 公知の意匠等の公知日と国際意匠登録出願の出願日とが同日の場合には、当該公知の意匠等を、国際意匠登録出願についての意匠法第 3 条第 1 項各号及び同条第 2 項の規定による拒絶の根拠とはしない。

 理由は、「国際意匠登録出願の出願日は日単位で特定され、その時分までは特定し得ない」ことによります。


論点No.11 我が国の部分意匠制度との関係において、「保護を求めないもの」が表された国際意匠登録出願をどのように扱うか。
 「保護を求めないもの」が表された国際意匠登録出願のうち、当該「保護を求めないもの」が、意匠に係る物品のうちの「意匠登録を受けようとする部分以外の部分」に相当し、その結果、「意匠登録を受けようとする部分」を特定することができるもの、すなわち、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合について意匠登録を受けようとする出願であると認めることが適当なものについては、我が国における部分意匠の意匠登録出願として取り扱う。

 「保護を求めないもの」以外の部分が、常に部分意匠として認められるとは限らないことになります。


論点No.14 「保護を求めないもの」として破線等で表されたものが、意匠に係る物品の全体の形態に対して付加的な要素であった場合、当該意匠を構成しない破線等を削除する補正をどのように扱うか。
 国際意匠登録出願の【意匠の説明】の欄及び図面の記載を総合的に判断した場合に、意匠に係る物品の全体の形態に対して付加的な要素のみを保護を求めないものとして破線等で表していたと認められる場合には、当該破線等を削除する補正は、出願当初の国際意匠登録出願に係る願書又は図面の記載について要旨を変更しないものと取り扱う。

 「付加的な要素」であれば、その削除補正は要旨変更に当たらないことになります。


論点No.18 国際意匠登録出願において、我が国の国内出願を基礎とする優先権の主張がなされた場合に、当該優先権の主張の効果をどのように扱うか。
 国際意匠登録出願の場合における我が国の国内出願を基礎とした優先権の主張の手続は、パリ条約第 4 条 A(1)の規定にいう「他の同盟国において出願をすること」には該当しないため、当該優先権の主張による効果は認めない。

 パリ条約の優先権の要件の一つに「他の」があります。本要件の理解が出来ていれば当然ですよね。


論点No.23 関連意匠の後日出願と国際公表との関係は?
 意匠法第10条第1項の規定にいう意匠公報は、意匠法第20条第3項の規定により本意匠の意匠登録出願が掲載された意匠公報であるから、国際意匠登録出願に係る国際公表の国際意匠公報は、関連意匠の適用判断における意匠公報とは取り扱わない。

 国際意匠公報なのか登録公報なのか、問題をしっかり読むことが重要ですね。


<回答>
問1 ×
問2 × (設問が「扱われる場合がある」なら○)
問3 ×
問4 ○
問5 ○

情報ソース
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/new_isyou_seido_wg03shiryou