地域団体商標の不正使用は何条?
H27年度の短答本試、第46問(第2枝)に「団体構成員等の不使用」の問題が出題されています。
2 団体構成員又は地域団体構成員による登録商標の使用は、商標権者の自己の構成員として、不使用による商標登録の取消しの審判(商標法第50条)において、商標権者の使用とみなされる。
団体構成員および地域団体構成員は、50条(不使用)の適用については、通常使用権者とみなされます(31条の2)。
(団体構成員等の権利)
第三十一条の二
3 団体構成員又は地域団体構成員は、第二十四条の四、第二十九条、第五十条、第五十二条の二、第五十三条及び第七十三条の規定の適用については、通常使用権者とみなす。
同様に、団体構成員等の「不正使用」は、53条が適用されます(31条の2)。
第五十三条 専用使用権者又は通常使用権者が指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についての登録商標又はこれに類似する商標の使用であつて商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生ずるものをしたときは、何人も、当該商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。ただし、当該商標権者がその事実を知らなかつた場合において、相当の注意をしていたときは、この限りでない。
団体商標または地域団体商標に係る登録商標の使用をする権利を有する者の「不正使用」の事例問題として、不正使用の主体が団体(商標権者)なのか構成員(通常使用権者)なのかによって、適用条文が異なり、「故意」要件の要否や、「品質の劣悪を含むか否か」等の要件が異なってくる点に注意が必要となります。
第五十一条 商標権者が故意に指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用であつて商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生ずるものをしたときは、何人も、その商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。
地域団体商標は、特許庁も力を入れている制度で、近年の短答では頻出問題となっています。論文は2年前に出題済みですが、引き続き要注意テーマと言えるでしょう。
情報ソース
https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h27benrisi_tan/question.pdf