増項訂正は可能?
2015年11月18日 22:13
特許庁から「審判制度に関するQ&A」が公開されました。
https://www.jpo.go.jp/toiawase/faq/sinpan_q.htm
「増項訂正」とは、請求項を増加する訂正の事です。
訂正審判のQ4に、「増項訂正」についてのQ&Aが掲載されています。
Q4:実質上、特許請求の範囲を拡張又は変更する訂正に該当しなければ増項訂正(請求項を増加する訂正)は可能でしょうか。
126条6項を根拠として、同項の範囲内であれば、増項訂正が可能であるか否かが訊かれています。
第百二十六条
6 第一項の明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。
Q&Aの解説は以下の通りです。
A4:訂正審判では、特許法第126条の規定により、一定の事項を目的とするものに限り、明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正が許されます。
しかしながら、通常、増項訂正は、特許法第126条第1項ただし書きで訂正の目的として規定する「特許請求の範囲の減縮」(1号)、「誤記又は誤訳の訂正」(2号)又は「明瞭でない記載の釈明」(3号)、「請求項間の引用関係の解消」(4号)のいずれにも該当しないので、原則として、特許請求の範囲の請求項数を増加させる訂正は許されません。
「原則」とありますので、その「例外」が存在します。Q&Aの続きに以下の解説がされています。
A4(続き): ただし、多数項引用形式で記載された一つの請求項を、引用請求項を減少させた請求項とするとき等には、増項訂正は可能です。例えば、請求項1に3つの発明a,b,cが選択的に記載されているときに、その3つの発明のうち2つを独立請求項1、2にそれぞれ記載したものとして改める特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正をしたときなどがあります。
あくまでも、126条1項各号の一に該当する訂正が前提であり、当該訂正による「増項訂正」は認められる余地があることになります。
「カフェ勉」情報はこちら。次回、11月29日(日)、基礎編(補正・補正却下)です。
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