小ネタ集(H27改正)

2016年02月29日 18:45
 
 H27改正法解説書の「職務発明制度の見直し(第1章)」から、「小ネタ」を集めました。
 
1.取得と承継
「なお、特許法上、「取得」の概念には「承継」が含まれているため、本改正法施行前に、契約等においてあらかじめ特許を受ける権利を使用者等が承継する旨定めている場合にも、この要件を満たしているものと考えられる。」
 
 特99条根拠との事。
 
第九十九条  通常実施権は、その発生後にその特許権若しくは専用実施権又はその特許権についての専用実施権を取得した者に対しても、その効力を有する。
 
 「発生後に取得」即ち承継のケースを想定しています。本条により特許法は「承継」は「取得」に含まれるものとして規定されていることが分かります。
 
(2)経済上の利益に該当しない例
「この「経済上の利益」については、経済的価値を有すると評価できるものである必要があり、経済的価値を有すると評価できないもの(例えば、表彰状等のように相手方の名誉を表するだけのもの)は、「経済上の利益」に含まれない。」
 
 相手方の名誉を表するだけのもの(表彰状等)が具体例として短答に出る可能性があるので覚えておきましょう。 
 
(3)職務意匠か職務創作意匠か
「実用新案法及び意匠法において、それぞれ、第35条を準用する規定(実用新案法第11条第3項、意匠法第15条第3項)が設けられており、職務考案及び職務創作意匠についても職務発明と同様の制度となっている。」
 
特第二条  この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
意第二条  この法律で「意匠」とは、物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。
 
 発明および意匠の定義からしても、発明には「創作」が含まれますが、一方の意匠には含まれないことから、両者の対応を取るべく、意匠の場合は「創作意匠」とすべきでしょう。
 
(4)指針変更時の産業構造審議会の意見
「同様に経済産業大臣が指針を変更する場合にも、有識者の意見を反映させた指針が策定されるようにするべく、産業構造審議会の意見をあらかじめ聴くものと解される。」
 
 指針を定める場合だけでなく「変更」する場合も、産業構造審議会の意見をあらかじめ聴くものと解されると解説されています。
 
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