条文比較の勧め
H27年度の論文本試が終わり「一息ついている」受験生も多いと思いますが、本気スイッチの入った受験生は既に来年度に向けての準備に入っています。今の時期の勉強時間は「理解」に充てるのが良いと思いますが、その中でも短答・論文・口述に共通の「条文理解」に時間を割くことをお勧めします。
過去問やテキストを使っても「知識の穴を無くす」には限界があります。自ら「条文の読み込み」を行い、要件の数や内容、その効果等の理解を深めることが重要ですが、その際の有効な方法として「条文比較法」があります。
4法対照による他法域間の条文比較、同法域間の条文比較など、「比べる」ことで、要件や効果の相違に気づくことができます。そして「なぜだろう?」と自ら考えることで、本当の理解力が付いてきます。
他法域間の条文比較は「四法対照法令集」ですでに実践している受験生も多いと思いますが、同法域間の条文比較として、たとえば特102条の1項、2項、3項の、それぞれの要件(例外)と効果を法令集を見ないで正しく答えることはできますか?
効果は、1項は「額とすることができる」、2項は「額と推定する」、3項は「額としてその賠償を請求することができる」です。要件の例外としては、1項は「実施能力」と「販売できない事情」の2つですね。
「似て非なる条文、目的は共通し並列して規定している条文等」の出題頻度は高いと思いますので、比較により条文の「要件」「効果」が正しく理解できているのか、この機会に勉強(見直し)してみましょう。
「重要条文の対照資料」を公開し始めましたので、ご活用ください。
https://www.mesemi.com/%E6%9D%A1%E6%96%87%E6%AF%94%E8%BC%83%E3%81%AE%E5%8B%A7%E3%82%81/