比較の勧め(差止請求)

2015年07月15日 18:43

 条文を「並べて」比較して見ると、新しい発見があります。発見(気づき)により、条文理解が深まります。

 説明するまでもありませんが、短答では、「似て非なる条文」同士を「組み合わせて」問題を作ることが良く行われます。理由は、受験生が間違い易いからです。

 論文でも、たとえば、H21年の問題は「比較」をベースにした出題意図となっており、特許法との比較において意匠法3条の2の特有規定が訊かれています。

 リンク先に掲載した「差止請求権(特100条など)」の条文を比較すると「相違」があることに気づきます。

 侵害者に対して「事前警告」を要する条文としては、実用新案法(29条の2)と意匠法(37条3項)の2つがあるのは、ご存知の事と思います。また、両者には「特許庁長官の証明」の要否に相違がある点も、勉強が進んでいる受験生は理解できていることでしょう。

 それでは、なぜ実用新案の方の「条文の位置」は、27条3項ではなく、29条の2なのでしょうか?

 答えは各条文の効果(文末)にあります。

 前者は「その権利を行使することができない」で、後者は「第一項の規定による請求を請求することができない」です。この相違についても、短答・論文共に「真の理解」を訊いてくる可能性が高いポイントです。

 論文本試も終わり、比較的勉強時間に余裕が出てくるこの時期には、「条文比較法」はお勧めできる勉強法です。是非、試してみてください!

条文比較の勧め(オリジナルの4法対照条文を掲載中)
https://www.mesemi.com/%E6%9D%A1%E6%96%87%E6%AF%94%E8%BC%83%E3%81%AE%E5%8B%A7%E3%82%81/