特許権等の効力

2018年06月24日 19:09

4法比較(特許権等の効力)

 直接侵害を規定する中心的な条文は、特68条等です。

(省略した「ただし書き」は専用実施(使用)権が設定された場合の例外規定)


特68条

特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。

(ただし書き省略)


実16条

実用新案権者は、業として登録実用新案の実施をする権利を専有する。

(ただし書き省略)


意23条

意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する。

(ただし書き省略)


商25条

商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。

(ただし書き省略)


 意匠権と商標権は「いわゆる類似範囲まで権利が広がる」と理解されている受験生も多いのではないでしょうか?


 しかし、意23条と商25条を比較すると、意匠法では「類似範囲」まで権利を拡大していますが、商標法ではそれがありません。その代わりに、商標法では「みなし侵害(商37条1号)」で、類似範囲まで拡大しています。


商37条 次に掲げる行為は、当該商標権又は専用使用権を侵害するものとみなす。

一 指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用


 意匠法と商標法のこれらの条文構成の相違は、「法目的に沿った実施(使用)権と排他権の規定」にあります。意匠法では実施権と排他権の範囲が同一ですが、商標法では出所の混同防止を趣旨に排他権を広くとっています。このような趣旨から、商標法では、まず商25条で「専用権(使用権と排他権)」を規定し、さらに商37条1号で「禁止権(排他権)」を拡大しているのです。


 弁理士試験は条文の理解を問う試験です。できる限り、条文に当たって理解を深めることをお勧めします。


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