短答本試から論文本試が予想できる?
H26年度の短答本試(意匠法)、第7問に「類似関係にある出願の帰趨」の問題が出題されています。
(ロ) 甲が、意匠イを公知にして、その5月後にイについて、新規性喪失の例外の規定の適用を受ける旨の主張をして意匠登録出願Aをした。 Aの出願の3月前に、乙は、イと類似する意匠ロについて意匠登録出願B をしていた。このとき、甲 がイ について意匠登録 を受けることができる場合はない。
また、同年度の論文本試【問題Ⅰ】でも、「類似にフォーカスした出題」がされています。
甲は、自ら机に係る意匠イを創作し、その机をビジネスショーで展示した。その後、甲は、意匠イ及びこれに類似する意匠ロについて、意匠登録を受けようとしている。
一方、乙及び丙は、共同で机に係る意匠ハを創作し、前記ビジネスショーの開催後であって甲の意匠登録出願の日より前に意匠ハに係る意匠登録出願を行った。なお、意匠ハは、意匠イには類似せず、意匠ロに類似するものとする。
上記の事例設定で、設問(2)において、短答本試とは事例設定を少し変えて、出願の帰趨が問われています。
(2) 甲は、意匠ロについて意匠登録を受けることができるか、それぞれ理由とともに説明せよ。(設問簡略化しています。)
さらに、設問(3)では、「実施の確保」が問われています。
(3) 甲が、意匠ロに係る机を製造販売しようとする場合の留意すべきことは何か、理由とともに説明せよ。
調べてみると、「実施の確保(可否)」については、同年度の短答本試、第39問に出題がされています。
(イ) 「自転車」に係る甲の登録意匠イにおいて、その意匠の一部である「ハンドル」の意匠が、その意匠登録出願の日前の出願に係る乙の登録意匠に類似する場合、甲は、イを実施することができない。ただし、意匠権について、いかなる無効理由も有さず、通常実施権の設定の裁定を受けないものとする。
論文本試では、短答本試の「ただし書き(裁定)」が問われました。短答本試の出題を研究すると論文本試の論点が読めるかも知れませんね。
情報ソース
https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h26benrisi_tan/question.pdf
https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h26benrisi_ronten/shiken_isyou.pdf