部分意匠のデメリット@H28意匠法
今年の意匠法(論文本試)は、問われている点が分かりやすく、答案構成に時間もかからないため、「問われていることに対して何を書くべきか?」について時間を掛けて答案構成をする必要があった問題と言えるでしょう。
3問の趣旨問題と保護態様の列挙問題から構成され、基本問題のオンパレードという印象を受けます。
趣旨問題は、青本と改正法解説書の再現力が得点差を生みそうですが、青本の内容でなくても、説得力のある理由付けがされていれば、合格点はもらえると思います。
一方の保護態様の列挙問題の方ですが、①全体意匠、②部分意匠、③関連意匠、④秘密意匠を書かせようとする出題者の意図が分かりやすい設問と言えますが、受験生を悩ませたのは「デメリット」の説明ではないでしょうか。
関連意匠では、多くの受験生は、少なくとも22条と27条を挙げたことと思われます。
第二十二条 本意匠及びその関連意匠の意匠権は、分離して移転することができない。
第二十七条 意匠権者は、その意匠権について専用実施権を設定することができる。ただし、本意匠又は関連意匠の意匠権についての専用実施権は、本意匠及びすべての関連意匠の意匠権について、同一の者に対して同時に設定する場合に限り、設定することができる
また、秘密意匠では、37条3項と40条ただし書を挙げたことと思われます。
第三十七条
3 第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に係る意匠権者又は専用実施権者は、その意匠に関し第二十条第三項各号に掲げる事項を記載した書面であつて特許庁長官の証明を受けたものを提示して警告した後でなければ、第一項の規定による請求をすることができない。
第四十条 他人の意匠権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があつたものと推定する。ただし、第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に係る意匠権又は専用実施権の侵害については、この限りでない。
それでは、部分意匠のデメリットはどうでしょうか? どう解答しますか(しましたか)?
論点になりますが、「部分意匠に係る意匠権の実施権の有無」から解答することも可能かと思います。
来年度以降も基本問題を重視する傾向が続くように思われます。青本と改正法解説書の読み込みを時間を掛けて行うことをお勧めします。
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