2条以外の定義規定
定義規定は、四法(特実意商)の全てにおいて、2条に設けられています。
特許法
第二条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
意匠法
第二条
2 前項において、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合には、物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像であつて、当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるものが含まれるものとする。
商標法
第二条
2 前項第二号の役務には、小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供が含まれるものとする。
「・・・とは、・・・をいう。」は定義規定、「・・・には、・・・が含まれるものとする。」は解釈拡大規定と考えることができるでしょう。
定義規定は、2条以外にも存在します。
以下、商標法について確認していきましょう。
まず「指定商品若しくは指定役務」です。多くの条項で「登場」しますが、4条1項11号で規定されています。
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
十一 当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第六条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
「不正の目的」は4条1項19号で規定されていて、47条(除斥期間)で「登場」します。
十九 他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)
「願書に記載した商標」は、12条の2第2項3号で規定されています。18条(商標権の設定の登録)や27条(登録商標等の範囲)で「登場」します。
第十二条の二
2 出願公開は、次に掲げる事項を商標公報に掲載することにより行う。(ただし書以下省略)
三 願書に記載した商標(第五条第三項に規定する場合にあつては標準文字により現したもの。以下同じ。)
26条における「形状」と「商品等」については、それぞれ、3条1項3号、4条1項18号で定義されていています。
第三条 自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。
三 その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。第二十六条第一項第二号及び第三号において同じ。)、・・・
26条1項2号、3号における「形状」には「包装の形状を含む」ことになります。
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
十八 商品等(商品若しくは商品の包装又は役務をいう。第二十六条第一項第五号において同じ。)が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標
26条1項5号における「商品等」は「商品若しくは商品の包装又は役務」を意味することになります。
特許法や意匠法でも同様な定義規定があります。条文を対象に、キーワード「以下同じ」や「において同じ」で検索すれば、同様の確認ができますのでチェックしておきましょう。
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