指定商品等の留意点@庁資料

2015年03月31日 20:19

 特許庁から「商品・役務を指定する際の御注意」が公開されています。

 特許庁の統計によれば、指定商品・指定役務の記載に関する拒絶理由が全体の約半数を占めているとの事で、受験対策としても重要なポイントとなります。記事では、以下の3分類で説明がされています。

<拒絶理由の3態様>
(1)政令で定める商品・役務の区分に従って商品・役務を指定していないもの(6条2項)
(2)指定された商品・役務の内容及び範囲が明確ではないもの(6条1項)
(3)出願に係る指定商品・指定役務について、商標の使用又は使用の予定があることについて確認が必要なもの(3条1項柱書)



 それぞれで、具体例が提示されていますので、短答を含めて理解を深めておきましょう。

(1)区分に従っていないもの

具体例①「第9類 時計」
 「時計」は第14類です。「第14類 時計」と記載する必要があります。
具体例②「第36類 雑誌による広告の代理」
 「雑誌による広告の代理」は第35類です。「第35類 雑誌による広告の代理」と記載する必要があります。

(2)明確でないもの

具体例③「第2類 全ての商品」
 第2類に属する商品を具体的に記載する必要があります。例示公表に過ぎず、いかなる商品について権利を取得しようとしているのかが不明確だからです。

具体例④「第39類 貨物車による輸送, その他本類に属する役務」
 具体例③と同様、具体的な役務を記載する必要があります。例示公表に過ぎず、指定が不明確だからです。

(3)「使用しないことが明らか」、あるいは、「合理的疑義」がある場合

<使用しないことが明らか>
具体例⑤ 出願人の業務の範囲が法令上制限されているために、出願人が指定商品又は指定役務に係る業務を行わないことが明らかな場合
具体例⑥ 指定商品又は指定役務に係る業務を行うことができる者が法令上制限されているため、出願人が指定商品又は指定役務に係る業務を行わないことが明らかな場合

<合理的疑義>
具体例⑦ 総合小売等役務に該当する役務を個人が指定してきた場合。
具体例⑧ 総合小売等役務に該当する役務を法人が指定してきた場合であって、「自己の業務に係る商品又は役務について使用」をするものであるか否かについて調査を行っても、出願人が総合小売等役務を行っているとは認められないとき。
具体例⑨ 類似の関係にない複数の小売等役務を指定してきた場合。
具体例⑩ 1区分内において8以上の類似群コードにわたる商品又は役務を指定している場合(原則)。

 願書の記載に関しては、拒絶理由が通知される以外に、補完命令や補正命令が出されるケースがあります。試験会場で条文集を開いて調べている時間はありません。補完命令・補正命令・拒絶理由が出されるケースを事前に整理しておくことをお勧めします。

「1000本ノック」で取り上げた論点ですので、興味があればこちらまで。
願書の記載要件に関して、補完命令、補正命令、拒絶理由通知がされる要件の相違についての理解を問う。
https://www.mesemi.com/%E5%B0%8F%E5%95%8F1000%E6%9C%AC%E3%83%8E%E3%83%83%E3%82%AF/newscbm_714121/2/

情報ソース
https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_shouhyou/shutsugan/shitei_chui.htm