答案構成「H27意匠法Ⅰ(1)」

2015年08月02日 21:46

 今年度の論文本試・意匠法の問題Ⅰ、設問(1)についてです。

 問題Ⅰは、拒絶確定出願について「先願の地位」が残らないとした平成10年改正を背景に、事例問題にて「先願の地位が残らないケース」と「残るケース」の理解を問いながら、意匠法上、最も難解と言われている29条2(先出願の通常実施権)へ展開していく出題構成となっています。

 先願の地位を規定する9条3項に関する青本(19版)の記載は、以下のとおりです。

<意9条3項(青本19版)>
平成一〇年の一部改正において、本項は意匠登録出願が放棄された場合及び拒絶査定が確定した場合についても当該出願が初めからなかったものとみなす旨を規定したので、意匠権の設定登録がされた出願及び前項後段の規定に該当することにより拒絶査定が確定した出願のみが、本条の先後願の判断においては先願として取り扱われることになる。


 平成10年の改正の知識、改正後の条文を理解していれば、それほど、難しい問題ではありません。意匠ハ、ニの帰趨が少々混乱するかも知れませんが、条文集を見ながら確認すれば、解答を導くことができたと思います。

 答案構成(項目立て)は、以下になります。
 

設問(1)について、
1.意匠イが登録を受けることができない場合
(1)3条1項3号
(2)9条2項
2.意匠ハ、ニの帰趨
(1)3条1項3号(登録可∵出願Aの先願の地位なし)
(2)9条2項(登録不可∵出願Cの先願の地位あり)



 条文ベースの「短答チック」な問題で、短答免除者には不利に働いたのではないでしょうか。免除者であっても、条文理解の勉強を継続しておくことをお勧めします。

情報ソース
https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h27benrisi_ronten/shiken_isyou.pdf

勉強会情報
https://www.mesemi.com/news/cafe%E5%8B%89-%E9%96%8B%E5%82%AC%E4%B8%AD%EF%BC%81/