H27論文本試・商標法2(1)

2015年08月11日 20:57

 未登録(外国)周知商標の保護に関する典型問題です。

 過去のブログでも取り上げたテーマ「悪意の商標出願」ですので、しっかり勉強していた受験生は解答できたのではないでしょうか(リンク先参照)。

 16号が少々気になりますが、10号→15号→19号の展開で良いと思います。結論は、設問(2)から判断し「無効にできる」でまとめましょう。

十  他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

十五  他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)

十九  他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)

 答案構成(項目立て)は以下になります。
 

設問(1)について、
1.可能性のある無効理由
(1)4条1項10号
(2)4条1項15号
(3)4条1項19号
2.最も適切な無効理由と該否検討
(1)10号および15号(国内における周知性と出所の混同)
(2)19号
 ①外国における周知性(4条3項)
 ②不正の目的(総代理店契約締結を拒否)
 ③主体要件(利害関係)
(3)結論(4条1項19号を根拠に無効にできる)



 不正の目的は積極的に「推認」できるとしましょう。主体要件(利害関係)、両時判断(4条3項)、除斥期間の検討を忘れないように注意してください。なお、除斥期間は題意から検討除外になっていますので、記載する場合は、軽く触れる程度に留めておきましょう。

 ゆる~い(単純な)問題ですが、4条1項19号の理解レベルと丁寧な(積極的な)当て嵌めで得点差が付いた問題ですね。

過去ブログ(悪意の商標出願)
https://www.mesemi.com/news/%E6%82%AA%E6%84%8F%E3%81%AE%E5%87%BA%E9%A1%98%EF%BC%A0%E5%95%86%E6%A8%99%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F/ 

情報ソース
https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h27benrisi_ronten/shiken_shouhyou.pdf

勉強会情報
https://www.mesemi.com/news/cafe%E5%8B%89-%E9%96%8B%E5%82%AC%E4%B8%AD%EF%BC%81/