平成26年改正 商標法 4条1項18号

【現行法】 商品又は商品の包装の形状であつて、その商品又は商品の包装の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標

【法改正】 商品等(商品若しくは商品の包装又は役務をいう。第二十六条第一項第五号において同じ。)が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標


 "便乗"改正の一つでしょうね。商標の保護対象の拡充という大きな改正に隠れて、条文の不備を"こっそり"と解消。旧18号では「役務」を含まない規定であったが、「役務」を含む規定に変わった。大きな論点の一つが無くなったことになりますが、3条1項→3条2項→4条1項18号の典型パターンは、これからも出題の可能性がありますので、十分勉強しておきましょう。

 「機能を確保するために不可欠な立体的形状」から「当然に備える特徴」に変わった点も要注意です。規定上は、「形状」以外の「特徴」も含まれることになります。「色彩」や「音」、将来的な「におい」を想定した規定でしょうか。短答の問題として、「機能」を「形状」に変えた出題も想定されます。

 同趣旨の意匠法5条3号の規定の改正はなく、「物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠」は登録を受けることができません。口述の対策としては、「形状に着目した場合に不可欠な形状のみからなる意匠」と解釈すべき点を再確認しておきましょう。