【大阪地判平成14年12月12日】巨峰(第二)事件

 エ 以上によれば、一般消費者、ぶどう生産者、青果卸売業者などの需要者において、「巨峰」という語は、特定の業者の商品にのみ用いられるべき商標であるとは認識されておらず、ぶどうの一品種である本件品種のぶどうを表す一般的な名称として認識されているものと認められる。したがって、「巨峰」という語は、ぶどうの一品種である本件品種のぶどうを表す普通名称(商標法26条1項2号)に当たると認めるのが相当である

 3 争点3(「普通に用いられる方法」に当たるか)について被告標章1は、漢字の「巨峰」の文字を毛筆体によって横書きに記載したもの、被告標章2は、漢字の「巨峰」の文字をゴシック体で横書きに記載したものであり、いずれも、その文字の形態や表記の態様に顕著な特徴があるとはいえず、本件品種のぶどうを表す「巨峰」という普通名称を、「普通に用いられる方法」で表示したものと認めるのが相当である