【東京高判平成14年07月16日】野外科学KJ法事件

 (1) 商標法4条1項7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には,①商標の構成自体がきょう激,卑わい,差別的又は他人に不快な印象を与えるような文字,図形,又は,当該商標を指定商品あるいは指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,あるいは,社会の一般道徳観念に反するような商標,②特定の国若しくはその国民を侮辱する商標又は一般に国際信義に反する商標,③特許法以外の法律によって,その使用等が禁止されている商標等が含まれる,と解すべきである(必ずしも,これらのものに限定するとの趣旨ではない。)。

 そして,上にいう,社会の一般道徳観念に反するような場合には,本件のように,ある商標をその指定役務について登録し,これを排他的に使用することが,当該商標をなす用語等につき当該商標出願人よりもより密接な関係を有する者等の利益を害し,剽窃的行為である,と評することのできる場合も含まれ,このような商標を出願し登録する行為は,商標法4条1項7号に該当するというべきである。