平成26年改正 特許法 48条の3 第8項

【現行法】 なし

【法改正】 第五項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により特許出願について出願審査の請求をした場合において、その特許出願について特許権の設定の登録があつたときは、その特許出願が第四項(前項において準用する場合を含む。)の規定により取り下げられたものとみなされた旨が掲載された特許公報の発行後その特許出願について第五項の規定による出願審査の請求があつた旨が掲載された特許公報の発行前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。

 通常実施権の種類がまた一つ増えることになります。H23法改正前までは、35条1項、79条、80条1項、81条、176条、の5つと覚えていましたが、H23法改正で79条の2第1項が規定され、そして今回の48条の3第8項の追加で合計7つに増えました。

 今後も増えるのか?と思ってしまいますが、現在、減る方向での改正法の議論が進んでいます。職務発明の法改正で来年度の予定です。「特許を受ける権利は使用者に原始的に帰属する」あるいは「使用者に法定譲渡される」となれば、35条1項は削除されることになるのでしょうね。

 別の観点では、175条、176条に加えて、「善意に」を含む条文が一つ加わりました。口述で問われるかも知れません。

[176条]  ・・・があつたときは、当該審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。

 実際、商標法の口述試験で、『3条各号の中で「のみ」を含むのは何号ですか?』と訊かれた記憶があります。「通常実施権は何条に規定されていますか?」といった問いも考えられます。口述試験前には、見直しておきましょう。