異議立てQ&A@H26改正

2015年03月28日 20:04

 特許庁から「特許異議の申立てQ&A」が公開されました。Q&Aで取り上げられている注意点をピックアップします。論文で問われるよりも短答で狙われる可能性が高いポイントになります。

 まず、H15改正前から存在する論点についてです。

Q1-3. 特許異議の申立ができる期間について教えてください。
A1-3. 特許掲載公報発行の日から6月以内です(特§113柱書)(便覧67-01の3. )。
なお、特許異議申立期間内であっても、特許権が消滅した後は、特許異議の申立てをすることはできません(便覧67-11の1. )。


Q1-5. 特許異議申立人が死亡又は合併により消滅したときに、特許異議申立人の地位は承継できますか。
A1-5. 特許異議申立人の地位を承継することはできません(最高判・昭和53年(行ツ)103号)(便覧67-02の2. )。



 次は、H15改正前と相違する規定に関するQ&Aです。

Q2-1. 特許異議の申立ての審理はどのように行われますか。
A2-1. 審理はすべて書面審理により行われます(特§118①)。口頭審理は行われません。ただし、証人尋問等、証拠調べが行われることがあります(便覧67-05)。


Q3-14. 特許異議の申立ての理由を変更する又は証拠を追加する、いわゆる要旨を変更する補正は可能ですか。
A3-14. 特許異議申立期間が経過する時又は特許権者宛の取消理由通知の送付のいずれか早い時までであれば、特許異議申立書の要旨を変更する補正は認められます(特§115②ただし書)(便覧67-04の2. (2)ウ)。


 最後に、他の制度と同時係属した場合についての取決めです。

Q2-6. 特許異議の申立てと無効審判の請求の両方がされたときは、どちらを先に審理するのですか。それとも併合して審理するのですか。
A2-6. 特許異議の申立てと無効審判の請求の先後に関わらず、原則として、無効審判を優先して審理します。併合して審理することはありません(便覧67-09)。


Q2-7. 特許異議の申立てと訂正審判の請求の両方がされたときは、どちらを先に審理するのですか。それとも併合して審理するのですか。
A2-7. 特許異議の申立てが先に係属したときは、訂正審判は請求できません。訂正審判が先に請求され、後から特許異議の申立てがされたときは、原則として、特許異議の申立てを優先して審理します。併合して審理することはありません。この場合、特許異議の申立てにおいて訂正審判と同一の内容を含む訂正の請求が必要になることがあります(便覧67-10)。



 H15改正前との相違をまとめた記事はこちらを参照ください。

https://www.mesemi.com/news/%E7%95%B0%E8%AD%B0%E7%AB%8B%E3%81%A6%E5%BE%A9%E6%B4%BB%EF%BC%81%EF%BD%88%EF%BC%91%EF%BC%95%E6%94%B9%E6%AD%A3%E5%89%8D%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%81%AF%EF%BC%9F/

 また、審判便覧の記事はこちらを参照ください。

https://www.mesemi.com/news/%EF%BD%88%EF%BC%92%EF%BC%97%E6%94%B9%E8%A8%82%E5%AF%A9%E5%88%A4%E4%BE%BF%E8%A6%A7/

情報ソース
https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/sinpan/sinpan2/igi_moushitate_faq.htm