H27改訂審判便覧
特許庁から「審判便覧 第15版(平成27年3月)」が発行されました。
主な内容は「特許法等の一部を改正する法律(平成26年法律第36号)により規定された、特許異議の申立て制度、無効審判の請求人適格の見直し、等に関する改訂」となっています。
まず、「特許異議の申立て制度」に関してですが、短答でも問われそうなポイントがありました。異議立てと他の制度が競合した場合の取り扱いです。
1.異議立てと無効審判の同時係属
一般的には異議立てが先にされるので、異議立ての方を先行するのかと思えますが、審判便覧では無効審判を優先するとなっています。
特許異議の申立てと無効審判が同時係属したときは、原則、無効審判の審理を優先し、特許異議の申立ての審理を中止する。
理由は、以下の通りです。
無効審判は、侵害事件など特許紛争に関連して請求される場合が多く、紛争の早期解決の視点から、迅速な審理が求められること、また、無効審判請求人は、特許異議の申立てをすることなく、当事者系手続による紛争解決を求めて無効審判を請求しており、審決の結論によっては、訴訟により争う可能性を想定した上で無効審判を選択した無効審判請求人の意思を尊重すること等を踏まえたからである。
2.異議立てと訂正審判の同時係属
特許請求の範囲が訂正により変更されるので、訂正審判を先行するのかと思えますが、審判便覧では異議立てを優先するとなっています。
特許異議の申立てと訂正審判が同時係属したときは、原則、訂正審判の審理を中止する。
理由は、以下の通りです。
特許異議の申立てについての審理に際し、すでに訂正審判が請求されている場合であっても、特許異議の申立てにおける取消理由通知に対して、改めて訂正の請求をすることができるからである。
主要な改定のもう一つ「無効審判の請求人適格の見直し」については、過去のブログを参考ください。
https://www.mesemi.com/news/%E3%80%8C%E5%88%A9%E5%AE%B3%E9%96%A2%E4%BF%82%E4%BA%BA%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%EF%BC%88%EF%BD%88%EF%BC%92%EF%BC%96%E6%94%B9%E6%AD%A3%EF%BC%89/
情報ソース
https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/sinpan-binran_15/all.pdf
https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/sinpan-binran_15kouhyou/igi-unyo.pdf