答案構成「H27意匠法Ⅰ(2)」
今年度の論文本試・意匠法の問題Ⅰ、設問(2)についてです。
先出願による通常実施権(29条の2)が発生するのは実務ではレアケースだと思っていますが、何故か、試験には良く出ますね。
「抗弁」を訊いていますが、侵害系の問題ですので「侵害の定義」から入った方が良いでしょう。ただし、あくまでも記載を求められているのは「抗弁」ですので、「否認」に当たる「侵害の定義~当て嵌め」は設問にある「意匠ロは意匠ニに類似」を使って軽く記載する程度に留めるようにしましょう。
また、明らかに29条の2の記載を求めていますが、「先使用権が発生しないこと」も要件の一つになりますので、29条の要件検討も忘れずに。「意匠ロの製造販売の準備日(平成26年8月2日)が意匠ニの出願日(平成26年7月2日)の後」であることを根拠に簡潔に記載すれば良いでしょう。
答案構成(項目立て)は、以下になります。
1.侵害の該否検討
(1)侵害の定義
(2)当て嵌め
(3)結論(抗弁なき限り侵害を構成)
2.抗弁の検討
(1)先使用権(29条)
(2)先出願による通常実施権(29条の2)
①直接当て嵌め
②結論(先出願による通常実施権(29条2)の抗弁が可能である)
3.制度趣旨
(1)H10改正により(拒絶確定出願は先願の地位を有しないこととなった)
(2)しかし(後願権利者から権利行使を受ける可能性がある)
(3)そこで(29条の2の導入)
意匠法は判例も少なく「ネタ枯れ傾向」が続いています。平成10年代を含めて「過去問」に当たっておくことをお勧めします。
情報ソース
https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h27benrisi_ronten/shiken_isyou.pdf
勉強会情報
https://www.mesemi.com/news/cafe%E5%8B%89-%E9%96%8B%E5%82%AC%E4%B8%AD%EF%BC%81/