H27論文本試・商標法Ⅰ

2015年08月23日 18:56

【問題Ⅰ】 商標権の存続期間の更新登録の申請における商標権の回復について説明せよ。

 1行問題ですが、30点配点ですので、解答用紙表面の約半分の記載量が目安になります。

 21条を中心に、20条から22条(23条)までを「整理しながら」記載すれば良いでしょう。

第二十条  
2  更新登録の申請は、商標権の存続期間の満了前六月から満了の日までの間にしなければならない。
3  商標権者は、前項に規定する期間内に更新登録の申請をすることができないときは、その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその申請をすることができる。


第二十一条  前条第四項の規定により消滅したものとみなされた商標権の原商標権者は、同条第三項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内にその申請ができなかつたことについて正当な理由があるときは、その理由がなくなつた日から二月以内でその期間の経過後六月以内に限り、その申請をすることができる。

第二十二条  前条第二項の規定により回復した商標権の効力は、第二十条第三項に規定する更新登録の申請をすることができる期間の経過後前条第一項の申請により商標権の存続期間を更新した旨の登録がされる前における次に掲げる行為には、及ばない。
一  当該指定商品又は指定役務についての当該登録商標の使用
二  第三十七条各号に掲げる行為



 答案構成(項目立て)は以下になります。
 

答案構成例(その1)
1.更新登録の申請の原則と例外①
(1)20条2項
(2)20条3項
2.商標権の回復(例外②)
(1)21条
(2)効力の制限(22条)




 より理解力を示すならば、更新登録の申請は、その時期により3つに類型化され、それぞれを「期間」「要件」「効果(制限)」の面から比較しつつ「商標権の回復」について説明する答案構成も考えられます。
 

答案構成例(その2)
1.更新登録申請の3類型
(1)満了前6月から満了の日まで
  ①要件(通常の登録料)
(2)満了の日を経過後6月以内
  ①要件(割増登録料(23条))
(3)満了の日から6月を経過後12月以内
  ①要件(理由がなくなった日から2月(21条)、割増登録料(23条))
  ②効力の制限(22条)
2.商標権の回復
 上記(3)に記載の要件具備により商標権は回復するが、所定期間の効力が制限される。



 シンプルな問題こそ答案構成に時間を掛けるべきです。上記以外の答案構成も考えられると思いますので、各自で工夫をして見ては如何でしょうか?

情報ソース
https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h27benrisi_ronten/shiken_shouhyou.pdf

勉強会情報
https://www.mesemi.com/news/cafe%E5%8B%89-%E9%96%8B%E5%82%AC%E4%B8%AD%EF%BC%81/